A-110-1 Standard VCO は、ボルテージ・コントロールド・オシレーター(VCO)モジュールです。およそ8オクターブ(約15Hz~8kHz)の周波数レンジを持ち、矩形波、ノコギリ波、三角波、サイン波の4つの波形を同時に出力することができます。出力レベルは、ノコギリ波と矩形波が8Vpp、三角波とサイン波が10Vppです。VCO の周波数は、Range スイッチと Tune ノブの位置、および CV 入力の電圧によって決定されます。オーディオ・レートによる周波数変調(FM)も可能です。フィート数(オクターブ)は 5段階の Range スイッチで設定し、ファイン・チューニングは Tune ノブで設定します。矩形波のパルス幅は、マニュアル・コントロールもしくは、CV でのコントロール(パルス・ウィズ・モジュレーション(PWM))が可能です。
技術的な資料
CV1 はバスボードからの内部 CV にノーマライズされています。(バスコネクタの横にある「INT.CV」と書かれたジャンパを外すことで遮断可能です。)CV1 にパッチケーブルを接続すると、内部バスのCV接続が遮断されます。他の VCO モジュールでは、この点で動作が異なる場合があります。(例 : フロントパネルのジャックへ入力した CV に内部バスの CV が追加される。)
A-110-1 はノコギリ波オシレーターがコアとなっています。(対照的に A-111-1 は三角波オシレーターがコアとなっています。)他の波形は、内部の波形コンバーターによってノコギリ波から派生しています。ノコギリ波のリセット(ゼロに戻る傾斜)は無限に速いわけではなく、少し時間がかかるため、派生する三角波とサイン波は完全な形状ではありません。波形の頂点には、ノコギリ波のリセットに起因する小さなグリッチやノッチがあり、波形コンバーターではこれを除去することができないのです。サインは単純なダイオード・ベースのコンバーターによって三角形から派生したもので、サイン波の形状は完全ではありません。(厳密に表現すると、丸みを帯びた三角波です。)ほぼ完全なサイン信号を得るためには、A-184-2 Voltage Controlled Crossfader / Triangle-to-Sine Waveshaper をお勧めします。このモジュールには、2つの波形をフェードさせるための CV クロスフェーダーも含まれています。
完全な三角形が必要な場合は、A-111-2 High End VCO II / VCLFO または A-111-3 Micro Precision VCO / VCLFO をお勧めします。完全なサイン波が必要な場合は、A-110-4 Thru Zero Quadrature VCO、または A-143-9 VC Quadrature LFO をお勧めします。
A-110-1 のノコギリ波の出力波形は、フロントパネルに表示されているように立ち下がり(またはマイナス)スロープです。
Range に使用するロータリー・スイッチは10ポジションありますが、フロントパネルに記されたポジション(-2 … +2)のみを使用する必要があります。ロータリースイッチは機械的に5つのポジションだけに制限することはできません。
他の A-100 シリーズ・オシレーター
- シンプルな VCO(サイン波なし、ロータリー・スイッチなし、リニア FM 入力付き)として A-110-2 Basic VCO があります。
- 省スペースを重視する場合は、A-111-3 Micro Precision VCO / VCLFO が適切な選択です。
- より機能を拡張した VCO として、A-111-2 High End VCO II / VCLFO があります。
- より特殊な VCO として、A-110-6 Trapezoid Thru Zero Quadrature VCO や A-110-4 Thru Zero Quadrature VCO などがあります。
※Tune ノブのレンジは、古いモジュールでは+-1半音程度です。2015年半ばくらいから、およそ+-1/2オクターブに値が大きくなっています。
製品名 | A-110-1V Standard VCO |
製品種別 | ユーロラック・モジュラーシンセサイザー |
定価 | 34,000 円(税別) |
JAN コード | 4582348927943 |
幅 | 10HP |
奥行き | 55mm |
消費電流 | +12V : 90mA
-12V : 20mA |