Overview
製品概要
伝説の名機 Prophet-5 と幻の Prophet-10
新しい Prophet-5 Rev4 は、40年以上のキャリアを誇り現在も精力的にシンセサイザーを作り続ける Dave Smith が自らの原点とも言える「世界を変えたアナログ・ポリシンセ」への回想と愛情から誕生しました。
1978 年に発表された伝説の名機 Prophet-5 Rev(Revision1 = 初期型)は、その後の数年間を経て Rev2(2期型)、Rev3(3期型)と改良が加えられ、2020年10月に遂に Rev4(4期型)へと進化を遂げることになります。これにより Dave Smith が「すべての Prophet-5 の中で最高の Prophet-5 」と宣言する最新機が完成しました。Rev4 は過去の3つのリビジョンのサウンドをすべて再生することができます。音質の要となるフィルターに Rev1/Rev2 では E-mu のエンジニアである Dave Rossum が設計した SSM2040 チップが採用されていましたが、Rev4 にはその現代版であるSSI-2140と Rev3 に使われていた Curtis CEM3320 チップを使った2タイプのフィルターを搭載。フィルターセクションに新たに増設された[REV]スイッチでその切り替えが可能です。この仕様によりピュアなアナログ・クラシック・サウンドを40年後の今日に見事に蘇らすことに成功しました。その正統派で無骨とも言えるパワフルな音質と現代のテクノロジーによる高い信頼性により芸術的な領域へ Prophet-5 を昇華させることになったのです。
Prophet-10は Prophet-5 の10ボイス・バージョンです。
1978年、すでに完成していた Prophet-5 Rev1と並行して10ボイスを搭載した Prophet-10 の開発も行われていました。プロトタイプに費やした多くの時間にも関わらず、当時のハードウェアでは筐体内部の熱処置とVCOの温度補償の精度の問題で20基にも及ぶアナログ・オシレーターのチューニングを常に安定させることは困難でした。
そのため Prophet-10 の生産を断念する結果になったのですが、その幻の Prophet-10 が現代のテクノロジーで遂に完成しました。Prophet-5 の10ボイス・バージョン、Prophet-10 はこれまでの5ボイスという制限の中で断念していたテクニカルな演奏を可能にしプレイヤビリティを大きく向上させます。プロのための Prophet-5、それが Prophet-10です。
Features
特徴
ヴィンテージサウンド、ヴィンテージノブ
Prophet-5 の再生産のためのプロジェクトはオリジナルに使われていた純正の部品を探すことからスタートしました。同時に私たちは当時の Prophet-5 のサウンドがなぜ、暖かく、有機的で、存在感があるのかを徹底的に調査、研究しました。このような魅力のあるサウンドが作られる要因は、ボイスごとのオシレーター、フィルター、エンベロープ、アンプの周波数や応答時間といった特性の微妙な差や変動であることがわかりました。
新しい Prophet-5 のサウンドに同様の魅力的なマジックを与えるために、本機には新たに開発した[VINTAGE]ノブを搭載しました。このノブによりボイスを構成する各セクションにリビジョンにより異なるランダムな変化を与えることができます。Prophet-5 Rev4のように非常に安定した “4” から、Prophet-5 Rev1 の全ての Prophet-5 の中で最もレアで気難しい “1” まで、自由自在に設定することができます。
ポリ・モジュレーション、強化されたユニゾンとグライド
オシレーターやフィルターの素晴らしい音色に加え、Prophet-5 のユニークなサウンドの多くはポリ・モジュレーションの賜物であり、それは Prophet-5 Rev4 でも忠実に継承されています。モジュレーション・ソースはオリジナルに忠実に Filter Envelope と Oscillator B の2つで、デスティネーションは Oscillator A の周波数、 Oscillator A のパルス幅、ローパスフィルターのカットオフ周波数の3つ。そのシンプルなルーティングに反してサウンドは想像以上に大きく変化します。もう一つの嬉しい機能はユニゾン・モードです。ボイス数(1~10ボイス)とディチューンの量を設定することが可能になり、これを利用して極太のベースサウンドを作ることができます。またコード・メモリー機能も搭載されました。Rev4 になり Glide はユニゾンがオンとオフの両方で動作するように改良されています。
ベロシティとアフタータッチ
新しい Prophet-5 は可能な限り正確で安定した動作が保証され、信頼性が高く、オリジナルに忠実なものにすることが私たちの使命でしたが、楽器としての表現力を高めるために、ベロシティとアフタータッチという現代的な機能を追加することに抵抗はありませんでした。これらの機能によりフィルターのカットオフ周波数、LFOモジュレーションの深さ、音量などのコントロールを指先で行うことができ、オリジナルにはなかったパフォーマンスを可能にしました。
シンプルでスムーズな操作性
Prophet-5 のシンプルでスムーズなオペレーションは Rev4 でも健在です。フロントパネルにはセクションごとにノブやスイッチがロジカルに配置され音作りに必要なパラメーターに直感的にアクセスしリアルタイムでコントロールすることができます。プリセットボタンをオフにするとライブパネルモードに移行し、現在のノブやスイッチの設定そのままの音色に切り替わります。 200種類のファクトリープログラムと200種類の書き換え可能なユーザープログラム領域があり、その中には1978年に John Bowen が制作したオリジナルの40プログラムのサウンドセットが含まれています。
堅牢なスチールとブラック・ウォールナットによる美しいデザインの筐体
アナログらしいパンチの効いたパワフルなサウンドを生み出す電子基板とイタリア Fatar 社製の5オクターブ、セミウェイテッド・キーボードを堅牢なスチールと家具職人が丹念にオイル仕上げしたブラック・ウォールナット単板によるスタイリッシュなデザインの筐体に収納。その美しい仕上げによりハイエンドの楽器を手にする喜びを実感することができます。リアパネルには USB、MIDI、CV/Gate などの入出力端子を備えており外部機材とのインターフェースにも優れています。
この新しい Prophet-5 Rev4 は、正しく Prophet-5 の歴史の中でベストな音質、機能、デザインを誇る最新機です。
10ボイスの真価が解放される。バイティンバーによるスタック/スプリット・モードを搭載。(OS2.0〜)
スタック・モード
レイヤーAとB、異なる2種類のプログラムを重ねて演奏することができるモードです。1ノートにつき異なる音色の2ボイス(4オシレーター)を演奏できるので、音作りのバリエーションが飛躍的に増えます。
スプリット・モード
キーボードを任意のキーで左右に分割し、レイヤーAとB、異なる2種類のプログラムを同時に演奏できるモードです。左手でベースを、右手でリードやパッドを演奏するといった演奏ができる、ライヴ・パフォーマンスに最適なモードです。
”Prophet-5”を再現する、ボイスリミット機能(OS2.0〜)
Prophet-5 には無い Prophet-10 の最大の特徴は「2倍のボイス数」です。Prophet-10 は10ボイスを演奏できることにより、リリースが長いプログラムを演奏しても、演奏中に音が途切れることが少ないのが大きなメリットです。しかし裏を返せば「5ボイス以上を同時に演奏しても音が途切れない」という Prophet-10 の特徴は、楽器として伝説的な Prophet-5 とは別物なってしまうと言えます。しかし Prophet-10 には Prophet-5 と全く同じ挙動 = 5ボイスのみの動作を再現する「ボイスリミット」機能が搭載されています。この機能を有効にすると発音が5ボイスのみに制限され、残りの5ボイスは休眠状態になります。ボイスリミット機能をオンにすることで、楽器としての Prophet-5 を完全に再現することができるのです。
※これらの機能は OS2.0 以降で実装されました。OS の確認方法、アップデート方法はサポートページをご覧ください。
専用フライトケース(別売)
SEQUENTIAL Prophet-5 Rev4 および Prophet-10 専用のフライトケースです。
※ヴィンテージの Sequential Circuits Prophet-5 Rev1, 2, 3 および Prophet-10(2段鍵盤の機種)とはサイズの都合上、互換性がありません。
- 外寸:約 1,065(W) x 505(H) x 205(D) mm(※突起物含)
- 重量:約10.3kg
- カラー:黒
- 日本製(弊社の協力会社による設計と製造)
- JANコード:4580646111729
- 定価:74,800 円(税別)
Specifications
製品仕様
オシレーター
- 1ボイスにつき、純正の CEM 3340 VCO x 2基
- 同時選択可能な波形:オシレーターA(ノコギリ波、矩形波)/オシレーターB(ノコギリ波、三角波、矩形波)→ オシレーターA(ノコギリ波/矩形波)、オシレーターB(ノコギリ波/三角波/矩形波)
- オシレーター毎に設定可能なパルスワイズ
- ハード・シンク:オシレーターAはオシレーターBにシンク
- ローフリーケンシーモード (オシレーターB)
- キーボード・トラッキングのオン/オフ(オシレーターB)
ミキサー
- オシレーターAアマウント
- オシレーターBアマウント
- ホワイトノイズ・アマウント
ローパスフィルター
- ボイス毎に用意された、4ポール・レゾナント・ローパスフィルター
- Rev1/Rev2 フィルターに使われていた SSM2040 チップの現代版 SSI-2140モード
- Rev3 に使われていた純正の Curtis CEM3320 チップを使用したモード
※Prophet-5 Rev1/2フィルターとProphet-5 Rev3フィルターを切り替え可能 - レゾナンス・コントロールによりフィルターを自己発振が可能
- キーボードトラッキング:off / half / full
フィルター・エンベロープ
- 4ステージ(ADSR)エンベロープ・ジェネレーター
- エンベロープ・アマウントのベロシティ・モジュレーション
アンプリファイアー・エンベロープ
- 4ステージ(ADSRタイプ)エンベロープ・ジェネレーター
- エンベロープ・アマウントのベロシティ・モジュレーション
ローフリーケンシー・オシレーター
- 3つの波形(ノコギリ波、三角波、矩形波)すべての波形を同時に使用可能
- イニシャル・アマウントとモジュレーションホイールによるコントロール
- モジュレーション・デスティネーション : オシレーターAフリーケンシー, オシレーターBフリーケンシー, オシレーターA & Bパルスワイズ, フィルター・カットオフ
ポリ・モジュレーション
- ソース : フィルター・エンベロープとオシレーターB
- デスティネーション : オシレーターAフリーケンシー, オシレーターAパルスワイズ, フィルター・カットオフ
ヴィンテージ・ノブ
- オシレーターやエンベロープ、アンプなどのパラメーターを変化させて、様々な”Prophet-5モデル”の特性を再現します。Prophet-5 Rev4(新バージョン)のような非常に安定した “4 “から、すべてのProphet-5の中で最もレアで気難しい Prophet-5 Rev1の “1 “へと変化します。
アフタータッチ
- チャンネル(モノ)アフタータッチ
- デスティネーション:フィルター・カットオフ、LFOアマウント
パフォーマンス・コントロール
- ベロシティとアフタータッチを備えた Fatar 製61鍵フルサイズ・セミウェイト・プレミアム・キーボード
- モジュレーション・ホイール
- スプリング式ピッチホイール:プログラム毎にレンジを設定可能 (1〜12半音上下)
- ポリフォニック・グライド(ポルタメント)
- ユニゾン (モノフォニック) キー・モード:1ボイス〜最大10ボイスまで設定可能
- プリセット・スイッチ :オフの場合はフロントパネル通りのライブ・パネル・モード
パッチメモリー
- 200ユーザープログラム + 200ファクトリープログラム(40プログラム x5バンク)
- Prophet 5スタイルのシングル・ボタンアクセスによる、8つのプログラムセットへのダイレクトアクセス
入出力
- モノラル出力(1/4″ フォンジャック)
- ヘッドホン出力(1/4″ ステレオ・フォンジャック)
- MIDI:イン、アウト、スルー
- USB:双方向での MIDI 通信が可能
- CV入出力 (1 x 1/4″ フォンジャック): 0- +5V 入出力信号。1オクターブあたり1ボルトで動作するように設定されています。
- GATE 入出力(1 x 1/4″ フォンジャック):1.5~15Vのオン/オフ信号を受信して、Prophet-5 の 1 つのボイスのエンベロープをトリガーします。また、外部シンセサイザーのエンベロープをトリガーするために使用する15ボルトのオン/オフ信号を出力します。
- ローパスフィルターのカットオフ用エクスプレッション・ペダル入力
- ボリューム用エクスプレッション・ペダル入力
- サスティン用フットスイッチ入力
電源
- IEC 規格 AC インレット
- 100~240V AC、50~60Hz 、最大消費電力 28W