製品概要
Model 296t Programmable Spectral Processor は、多彩な出力や特別な機能を備えた精巧なフィルターのセットです。最も分かりやすい機能は、16バンドの "グラフィック・イコライザー" でしょう。16のバンドは、モジュールの上部と下部に16進数(0~F)で表示され、各バンドの中心周波数は、各スライダー・アッテネーターの上に表示されています。
※Buchla Synthesizer User Guide / Daniel J. Schedit 著(1982年11月16日)を 296t 用に修正したものです。
注意:
296t の背面には、8 枚のフィルター バンド カードが垂直に取り付けられています。カードは柔軟性があり、左右に数ミリメートル動くことがありますが、これは正常なことであり、心配する必要はありません。カードはコネクタにしっかりと固定されているため、引き抜くには強い力が必要です。
296t は、+12V レールから 360mA、-12V レールから 350mA を消費します。 それに電力を供給するには、Mantis のような強力な安定化電源を用意することが重要です。ケース内のすべてのモジュールの消費電力を事前に必ず計算し、それらの合計が電源レールもしくはケースと外部電源アダプター、全ての供給可能な最大電流を超過しないことを確認してください。
取扱説明:
Daniel J. Schedit によって書かれた Buchla Synthesizer User Guide (1982 年 11 月 16 日) から書き起こし、296t 用に修正されました。
PROGRAMMABLE SPECTRAL PROCESSOR は、さまざまな出力と特別な機能を備えた精巧なフィルターのセットです。おそらく最も分かりやすいのは、16 バンドの「グラフィック・イコライザー」の機能でしょう。16 のバンドはモジュールの上部と下部に 16 進数 (0 から F) でラベル付けされており、各バンドの中心周波数は各スライド・アッテネータの上に示されています。
ATTENUATOR OUTPUTS
右下にある Signal Inputs のジャックでは、「even」( 8 つの偶数番号のバンド)、「all」(16 のすべてのバンド)、「odd」(8 つの奇数バンド)の信号入力ジャックです。これらは偶数または奇数番号のバンドを表すものであり、偶数または奇数の高調波に対応したものでないことに注意してください。モジュールの右側にある ATTEEUNATOR OUTPUTS には、「odd(奇数)」、「even(偶数)」、「all(ミックス)」の信号出力もあります。
信号が Signal Inputs の「all」にパッチされて、ATTEEUNATOR OUTPUTS の「all」から取り出されることで、モジュールは 16 バンドのグラフィック・イコライザーと同等に機能します。アッテネータ出力では、-3dB がスライダーの最高範囲であり、スライダーが最上部の位置であっても実際にはその帯域の周波数に -3dB の減衰があることに注意してください。最下部の位置では、その周波数帯域内の信号を完全にカットします。各スライダーの真上にある信号出力ジャックは、±0dB でその周波数帯域内に存在する信号を出力します。 これらの出力はスライダーの位置の影響を受けません。COMB FILTER は、すべての「偶数(even)」帯域またはすべての「奇数(odd)」帯域からの信号を出力し、スライダーの影響を受けず、±0dB のゲインに設定されます。
CONTROL VOLTAGE OUTPUTS
ENVELOPE OUTPUTS とラベル付けされたコントロール電圧出力は、各周波数帯域のエンベロープ・フォロワ出力です。言い換えれば、これらの出力からの電圧は、各帯域内に存在する信号の振幅を表します。右上の「short」「combo」「long」のスイッチで、エンベロープのディケイ・タイムを選択します。これらの出力は、スライダーの位置の影響を受けません。
PROGRAMMED OUTPUTS
296tは、さまざまな方法でパラメーターを電圧操作できます。電圧操作によって加工された信号はPROGRAMMED OUTPUTS に出力されます。PROGRAM CONTROL セクションの左側のノブを使用して、広い周波数帯域を「スイープ」することができます (バンドパス・フィルターが周波数スペクトルを「スイープ」できるのと同じです)。このノブは、FREQUENCY というラベルの付いたコントロール電圧入力によって電圧操作することも可能です。電圧入力ジャックの横にあるノブは、アッテヌバーターです。右側には、16 の周波数帯域の幅を決定する WIDTH コントロール・ノブがあります。各アッテネータの上のラベルは、各帯域のおおよその中心周波数を示しています。帯域幅が非常に狭くなると、各帯域の間に「ギャップ」が現れ、通過帯域が完全に消えて信号が通過しなくなることに注意してください。最大値では、各帯域は周波数スペクトル全体を包含するほど広くなり、FREQ コントロールは効果を持ちません。このノブは電圧をコントロールできますが、コントロール電圧にはアッテネータがありません。また、LOCAL PROGRAM INPUTS により、各周波数帯域の信号レベルを独立して電圧操作できます。
SPECTRAL BIAS
PROGRAMMED SPECTRUM TRANSFER というラベルの付いたノブとスイッチのペアには、多くの場合「ボコーダー」回路と呼ばれるものに関連づいた機能があります。左側のスイッチをオンにすると、各「偶数(even)」エンベロープ・フォロワ出力が隣接する「奇数(odd)」コントロール電圧入力に内部で接続されます。
つまり、296tのスペクトル・プロセッサが「偶数(even)」入力に存在する信号のスペクトルを分析し、その周波数スペクトルを「奇数(odd)」のバンドへ送ることになります。これにより「奇数(odd)」入力に与えられた信号自体が十分に広い周波数スペクトルを持っている場合、「odd」プログラム出力の音色は「even」信号の複写となります。 右側のスイッチは、「even」から「odd」に内部接続する、同等の働きを持ちます。
マイクロフォンからの信号を分析対象側として、発振器(オシレーター)からの高調波信号と合成をすると、マイクロフォン信号の母音を複製することができます。これは一般に「ボコーダー」パッチとして知られています。ボコーダーの働きを最適にするには、入力信号に特別なイコライゼーションが必要です。これがスイッチの隣にある 2 つのノブ(pre-emph.)の役割です。 右に回すと、「even」と「odd」それぞれの入力信号の高音域がブーストされます。これらは、ATTENUATORとPROGRAMMEDの両方の出力に影響を与えるため、「ボコーダー」パッチを使用しない限り、設定を下げておく必要があります。またこれらのスイッチを使用するときは、BANDWIDTHとFREQUENCYの設定がまだ有効であることに注意してください。特に「ボコーダー」パッチで最良の結果を得るには、BANDWIDTHとFREQUENCY をどちらも最小に設定する必要があります。
LEDS
LED は、エンベロープ・フォロワーから駆動され、10Vpp 信号 (258t からの信号など) が特定の帯域の周波数に到達したことを示し、エンベロープ・フォロワーを最大 CV 値 10V まで上昇させます。 「ボコーダー」パッチを使用する場合、出力信号のゲインが低くなる可能性があります。LED の表示を利用して VCO を帯域の中央付近に設定すると、出力ゲインをより大きくにできます。
LEDの点灯は、入力信号のクリップ・インジケーターではありません。
Buchla & Tiptop Audio「Eurorack 200 シリーズ」について
アメリカ西海岸の伝説的シンセサイザー・メーカー「Buchla(ブックラ)」と Tiptop Audio のコラボレーションにより生まれた「Eurorack 200」シリーズ。およそ半世紀前に開発され、とても希少なモジュラー・シンセサイザーである「200 シリーズ」をユーロラック・フォーマットで再生産しました。西海岸スタイルのシンセシスの真髄である Buchla モジュールを、現代の多くのモジュラー・プレイヤーへ。Eurorack 200 シリーズはあなたのモジュラー・システムに西海岸の風を吹かせます。
製品種別 | ユーロラック・モジュラーシンセサイザー |
定価 | 118000 円(税別) |
JAN コード | 4580646113259 |
幅 | 52HP |
奥行き | 52mm |
消費電流 | +12V : 360mA
-12V : 350mA |