A-121s Stereo Multimode Filterはステレオ、パラレル、シリアル接続で使用できるデュアル・マルチモード・フィルターです。フィルターのコアはA-121-2 12dB Multimode FilterやA-121-3 12dB Multimode Filterと同じ12dBのマルチモード・フィルターです。ノブを回すことでそれぞれローパス、ノッチ、ハイパス、バンドパスと連続的にフィルター・タイプを選択することができます。ステレオ、デュアルモノ、どちらで使用する場合でもマニュアル・コントロール、CV入力の使い易さを重視して設計されています。フィルターのパラメータであるFrequency(F)、Resonance(Q)、Type(T)については、共通のコントロールとCV入力に加え、それぞれのコントロールとCV入力を搭載しています。フィルター・フリーケンシーは、フィルターの広がり(フリーケンシーの差またはデルタF)をコントロールするためのマニュアル・コントロールとCV入力を使用できます。
コントロール
- F : 両フィルターのマスター・フリーケンシー・コントロールです。(中央の大きなノブ)
- Type 1 / Type 2 : フィルター・タイプのパンニング/モーフィングです。 L-N-H-B(Lowpass-Notch-Highpass-Bandpass)
- Link to Type 1 : スイッチをOnにするとType 1がフィルター2のType 2もコントロールするようになります。(つまり両方のフィルターのタイプを同時にコントロールします。)
- SFM1 / SFM2 : シングル・フリーケンシー・モジュレーション・コントロール(ポラライザー)、対応するジャックSFM1 / SFM2に接続されています。(SFM1ジャックは固定正電圧に内部接続されており、SFM2はSFM1に内部接続されています。そのためSFM1 / SFM2ジャックにモジュレーション信号がパッチされていない場合、SFM1 / SFM2ノブは各フィルターのフリーケンシー・コントロールとして機能します。)
- CFM : コモン(共通)・フリーケンシー・コントロール、2つのジャックCFM1/CFM2に接続された信号を処理する、2つのVCポラライザーをコントロールします。CFM2はCFM1に内部接続されており、同じモジュレーション信号(例 : エンベロープ・ジェネレーター)を両方のフィルターに使用でき、CFMノブで同時にレベルをコントロールできます。
- Delta F : 2つのフィルターのフリーケンシーの差(フリーケンシーの”広がり”)を手動でコントロールします。ノブを中央の位置に合わせると両方のフリーケンシーは同じになります。
- Delta FM : Delta FM信号(ジャック)のレベルをコントロールし、外部コントロール電圧(LFOやADSRなど)によりフリーケンシー間の広がりをコントロールすることができます。
- Q : 両方のフィルターのレゾナンスを同時にコントロールします。
- Level 1 / Level 2 : 2つのオーディオ入力のアッテネーターです。
- QM/TM1, QM/TM2 : モジュレーション入力QM/TM1, QM/TM2のアッテネーターです。
ジャック
- In1 / In2 : オーディオ入力です。(In2はIn1と内部接続されています。)
- Out1 / Out2 : オーディオ出力です。
- F : 両フィルターの共通フリーケンシー・コントロール入力です。 (~ 1V/oct)
- Delta FM : ポラライザーDelta FMによるフリーケンシーの広がりをコントロールするCV信号を入力します。
- SFM1 / SFM2 : シングル・フリーケンシー・モジュレーション入力、ポラライザーSFM1およびSFM2をコントロールするCV信号を入力します。SFM1は固定正電圧に、SFM2はSFM1に内部接続されています。
- CFM1 / CFM2 : コモン(共通)・フリーケンシー・モジュレーション入力、ポラライザーCFM1およびCFM2をコントロールするCV信号を入力します。CFM2はCFM1に内部接続されています。
- QM/TM1, QM/TM2 : これらのジャック/アッテネーターの用途は、内部ジャンパーで設定します。QMはQモジュレーション(QM1=フィルター1のレゾナンス・モジュレーション、QM2=フィルター2のレゾナンス・モジュレーション、)、TMはフィルター・タイプ・モジュレーション(TM1=フィルター1のフィルター・タイプ・モジュレーション、TM2=フィルター2のフィルター・タイプ・モジュレーション)を意味し、QM/TM1ジャックは固定正電圧に、QM/TM2はQM/TM1に内部接続されています。工場出荷時は下記の通り内部ジャンパーが設定されています。
- QM/TM1 : QM1、QM2
- QM/TM2 : TM1、TM2
※内部ジャンパーを設定するためにはモジュール裏面の基板を取り外す必要があります。この作業は保証対象外となります。設定を変更したい場合は福産起業サポートまでご相談ください。
ジャックの左上の+記号と45度の三角形は、ジャックのスイッチング接点が固定正電圧に内部接続されていることを示しています。(SFM1, QM/TM1)
縦長の三角形は、2つのジャックが内部接続されていることを示しています。(In1>In2、SFM1>SFM2、CFM1>CFM2、QM/TM1>QM/TM2)
もしもフィルターが思い通りに動作しない場合は、モジュール特有のこれらの仕様に注意してください。
- SFM1、SFM2、CFM、Delta F、Delta FMはポラライザーなので、中央がニュートラルです。フィルターが予期しない動作をする場合、これらのノブを中央に設定します。
- また、SFM1、SFM2ジャックはパッチケーブルが接続されていない場合、固定正電圧に内部接続されています。この場合、SFM1とSFM2ノブは中央をニュートラルとして、フィルター1と2のフリーケンシーに対する追加の個別マニュアル・コントロールとして機能します。
- F、Q、Level 1、Level 2、QM/TM1、QM/TM2は、標準的なアッテネーターのため、反時計方向に回しきった位置がニュートラルです。フィルターが予期せぬ動作をする場合は、QM/TM1とQM/TM2は完全に反時計方向に設定してください。その理由はQM/TM1とQM/TM2ジャックの内部接続によって、関連するコントロールがCVを生成し、メイン・コントロール(Type 1、Type 2、Q)が生成するCVに加算されるからです。どのパラメータが影響を受けるかは、内部ジャンパーの設定によります。詳しくはA121s_trimming_potentiometers_and_jumpers.pdfを参照してください。
フロントパネル右下にある小さな丸印で、QM/TM入力の機能をマークすることができます。例としてこれらの割り当てが可能です。
- QM/TM1はQM1を、QM/TM2はQM2をコントロールし、フィルター・タイプを外部CVでコントロールしない。
- QM/TM1はTM1を、QM/TM2はTM2をコントロールし、レゾナンスを外部CVでコントロールしない。
- QM/TM1はQM1とQM2を同時にコントロールし、QM/TM2はTM1とTM2を同時にコントロールする。
用途
- ステレオ・フィルター : 2つの異なるオーディオ信号をオーディオ入力に接続します。出力からはフィルタリングされた信号が出力されます。フィルタリングはノブの位置と適用されるCV信号の電圧に依存します。
- シリアル・モノ・フィルター : モノラル信号をオーディオ入力1に接続します。パッチケーブルをオーディオ出力1からオーディオ入力2へ接続します。フィルターのパラメータは、オーディオ信号が出力されるように設定する必要があることに注意してください。例えば、ローパスとハイパスが直列で接続されている場合、ローパスのフリーケンシーはハイパスのフリーケンシーより高くなければなりません。そうでない場合はオーディオ信号が出力されません。
- パラレル・モノ・フィルター : オーディオ信号を両方のオーディオ入力に接続します。(例 : 内部接続In1>In2経由)ミキサー・モジュールを使用して、オーディオ出力1と2をミックスします。
製品名 | A-121s Stereo Multimode Filter |
製品種別 | ユーロラック・モジュラーシンセサイザー |
定価 | 46,400 円(税別) |
JAN コード | 4580646112368 |
幅 | 12HP |
奥行き | 45mm |
消費電流 | +12V : 100mA
-12V : 100mA |