M ファームウェア・アップデート
将来的に新たなファームウェアが配布された場合は、ユーザー自身で M のファームウェアをアップデートすることができます。ファームウェアのアップデート方法はマニュアルをご参照ください。
日本語マニュアルの中でファームウェアのダウンロード URL が記載されていますが、2022年2月現在 Waldorf ユーザーエリアである「MyWaldorf」内でのダウンロードに変更されています。MyWaldorf へログインするにはアカウントを作成する必要があります。
M の最新ファームウェアは MyWaldorf へログイン後、画面右側の「MyWALDORF メニュー > MyHARDWARE > M Firmware Updates」でダウンロードできます。
ファームウェア Host 1.10 RC - DSP 1.10 RC(2024年6月28日リリース)
多くの新機能を搭載した最新ファームウェア V1.10 へのアップデートが可能です。
V1.09 からの主な変更点は以下の通りです。
- シンプルな MPE のサポート
- 第3のオシレーター・モード - 新しい波形とオシレーター・モデルを提供するアルゴリズミック・オシレーター・モード
- デジタル・フィルターのパラメータにモジュレーション機能を追加
- MIDI スレーブ・クロックの安定性向上
- DSP パフォーマンスの問題を修正
- モダン・モードの FM フィルターの修正
MPE のサポート
Settings の4ページ目に MPE enabled (on / off) のオプションが追加されました。4ページ目は MPE 設定専用ページとして用意されており、次回以降のファームウェアで新たな MPE 機能に更新される要諦です。現在、MPE は以下の制限付きで実装されています。
- Single サウンド・モードのみ使用可能
- ゾーン・ローでのみ使用可能
- マスター・チャンネルはチャンネル 1
- ポリフォニック・アロケータのみ、モノフォニック・アロケータは使用不可
- チャンネル・プレッシャーとピッチベンドのみノート単位で適応可能
アルゴリズミック・オシレーター・モード
これは、Mutable Instruments Braids モジュールを M のオシレーターとして実装する、という過去に Martin Stuertzer と検討したアイデアです。DSP と Host に必要な変更を加えて、その基礎を作成しました。
現在、Braids のアイデアに基づいた4つのアルゴリズムが実装されていますが、M の各オシレーターに対して個別に動作するように高度に最適化されています。8つのノートがすべてオンの場合、M では実質的に
16の Braids が動作します (16 Voice バージョンでは最大 32)。
アルゴリズミック・オシレーター・モードを有効にするには:
現在 Mode ボタンはトライステート仕様となっています。ボタンの LED が消灯している場合はクラシック・モード (Microwave I ASIC エミュレーション)、LED が点灯している場合はモダン・モード (Microwave II DSP コード・エミュレーション)、LED が点滅している場合はアルゴリズミック・オシレーター・モードとなります。
各 WAVE コントロールに追加ページ (WAVE 1 Meta、WAVE 2 Meta) が追加されました。このページには以下の4つのパラメータが表示されます:
- ALGO:オシレーターのアルゴリズムを切り替えます。
- META:アルゴリズムの META パラメータ (後述)
- MODMSRC:META パラメータのモジュレーション・ソース
- MODMAMT:META パラメータのモジュレーション量
このモードでは Wavetable コントロール (外側の黒いエンコーダー) は無効となります。Wave コントロール (内側の赤いエンコーダー) は各アルゴリズムの Wave パラメータを変更し、選択したアルゴリズムによって生成される波形を変更します。標準のすべてのモジュレーションが使用可能です。
このモードでもデジタル・フィルターを使用することができます。M SHAPER を除くすべてのデジタル・フィルターは通常通り動作しますが、M SHAPER はこのモードを有効にする前に最後にロードされていたウェーブテーブルに基づいて動作します。
リング・モジュレーションとハードシンクもこのモードで使用できます。
以下の4つのアルゴリズムが実装されています:
M VA (M Virtual Analog):ノコギリ波、パルス波、三角波の3つの波形を同時に生成します。Wave パラメータはこれら3つの波形のミックスを調節し、0 〜 32 ではノコギリ波とパルス波のクロスフェード、33 〜 63 ではパルス波と三角波のクロスフェードになります。META パラメータは、0 〜 127 の範囲に割り当てられたパルス幅 (5 〜 50%) を調節します。
CSAW (CS-80 Saw):Braids の「CS-80 Saw」アルゴリズムを適用しています。Wave パラメータはノコギリ波の始まりの「オーバーピーク」の幅を 0 〜 5% で調節でき、Wave パラメータの 0 〜 63 に割り当てられています。
FOLD (Wavefolding OSC):オシレーターの出力が ウェーブフォルダーに送られます。Braids のアルゴリズムの1つをベースにいくつかの変更を加えました。Wave パラメータはノコギリ波と三角波のクロスフェードを調節し、META パラメータはウェーブシェイパーの深さを調節します。
3 SAW (3x Sawtooth):相互にデチューン (<、0、>) された3つのノコギリ波のスタックです。Wave パラメータは中央の、つまりデチューンされていないノコギリ波と他2つのノコギリ波のミックスを調節します。META パラメータはノコギリ波間のデチューンを調節します。SuperSaw の再現に使用できます。
ファームウェア Host 1.07 RC - DSP 1.07 RC(2022年2月20日リリース)
今回は DSP 向けのリリースなので、ほとんどの変更/修正/機能の追加は DSP の領域で行いました。
バグ修正
- Sync モードの LFO1 の乱れを修正 (Decayは=127であるべき)
- セーブ/ロード/モード変更時に、最初のユーザーウェーブテーブルが異なる場合、破損する問題を修正しました。
- "最初の8音問題"を修正しました。
- Master Volume が0のときにオシレーターの音漏れがある問題を修正しました。
- 画面下のエンコーダーでパラメータを変更した際、Hard-Sync ボタンと Glide ボタンの LED が動作しないバグを修正しました。
機能の追加
- Bank Change を実装しました(Bank Change LSB=CC32として)
- モダンモードの各ウェーブテーブル・オシレーターにスキャン・リミッター設定を実装しました。両方の Wave の「TRAVEL」という新しいサウンドパラメーターです。次の設定から選択可能です。
- Analog On (An. On) : 標準の設定で 0〜63 すべての波形をスキャンします。
- Analog Off(An.Off) : ウェーブテーブルの最後に用意されている3種類のアナログ波形を除く、0~60の範囲の波形をスキャンします。
- Analog Only(An.Only) : アナログ波形のみの範囲(60~63)の波形をスキャンします。
- Circular - 0~60 の範囲の波形を包括的にスキャンします。モジュレーションの値の合計が「60以上(または0以下)」の場合、上限または下限を越えてスキャンし、スキャンは「反対側」から継続されます。スキャンの開始点として Wave 0 を選択し、モジュレーションの値の合計が66の場合は「Wave 6」になります。同様にスキャンの開始点として Wave 20を選択し、モジュレーションの値の合計が66の場合は「Wave 26」になります。「オフセット20 + モジュレーション66 = フルオーバーフロー(60) + 26 Wave ポジション」という計算になります。
LFO1 と LFO2 に Fast/Slow モードを追加しました。パラメーター名は「L1 RANGE」と「L2 RANGE」で、「LFO - LFO Tweaks セクション」の新しいページに配置されています。設定は下記の通りです。
- Normal : Microwave1 の標準的なレンジ - 派生設定(0.1 - 15.4 Hzレンジ)
- Slow : 低速レンジ (0.012Hz - 1.54Hz レンジ = 0.1 x Normal レンジ)
- Fast : 高速レンジ (0.485Hz - 61.6Hz レンジ = 4 x Normal レンジ)
Glide モードに「逆指数マッピング」を追加実装しました。 新しいパラメータは「GL.MODE」で、次の設定が可能です。
- lin : 標準設定 (0-2秒のリニア・タイムスケール)
- exp : 新しい設定(0-1.2秒の逆指数マッピングスケール)
B.RANGE パラメーターのレンジを両オシレーターとも +-12 から +-48 半音へ拡張しました。
モダンモード用のビットリダクションを追加しました。パラメーター名は「Derez」で、モダンモードのオシレーターの通常の16ビット・サンプルを何ビット減らすかを設定できます。設定できる範囲は0から14までです。 14ビットの場合、実質的に2ビットのグリット感を得ることができます。)
モダンモード*に下記の Microwave2 VCF モデルを追加しました。
- Notch 12dB / Oct
- LP 24dB/Oct
- BP 24 dB/Oct
- HP 24 dB/Oct
- Notch 24 dB/Oct
- Sin Waveshaper + LP 12 dB/Oct
- Dual LP/BP 12 db/Oct
- BandStop 12 dB/Oct
モダンモードのオシレーターに下記のパラメーターをを追加しました。
- MW Envelope Amount (VCF EG to Digital VCF Cutoff)
- Envelope Velocity (Velocity to VCF EG scaling for the digital VCF)
- Keytrack
- Extra* (後述の詳細をご覧ください)
- Modulator1 Source Modulator1 Controller
- Modulator1 Amount
- Release Modulator Source
Release Modulator Amount 前の Modulator Source と Amountは、Modulator 2 Source**(後述)となり、それに伴い Amount も変化します。
* クラシックモードでは、既存の3種類のみが有効となります。新しい追加機能はありません。
** Digi VCF の Extra パラメーターは、次の Modulator Source をコントロールします。
- クラシックモード - VCF の減衰をコントロールし、値が大きいほどレゾナンスによる減衰が少なくなります。FW1.05 と FW1.06 の間で、VCF の音質を変化させることができます。
- モダンモード - Dual LP/BP12 dB/Oct VCF の BP12 VCF の LP12 周波数からのシフトをコントロールします。正の値のみとなる可能性があります。
*** クラシック(ASIC エミュレーション)オシレーター・モードでは、Extra、Mod2 Source Mod2 Amount 以外のすべてのパラメータは使用できません。
** 以下のすべてのパラメータは、ASIC エミュレーションモードでは使用できません。DSP MCU の性能制限のためです。FW 1.05-1.06 DigiVCF の ModSource ModAmount パッチパラメータは、既存のパッチから Modulator 2 Source と Modulator 2 Amount に適宜変換されます。
- EG1(VCF) と EG2(VCA) に「Range パラメーター」を追加しました。これにより、アナログ VCF と VCA の CV に関連するタイミングのレンジを、この2つに対して変更することができるようになりました。ENV Tweaks ページにある「RANGE」という新しいパラメーターは、次の設定が可能です。
- normal : Microwave1 から派生した通常のレンジです。
- fast : エンベロープの各セグメント(A、D、R)で 0.01秒~1秒 のレンジです。
- slow : エンベロープの各セグメント(A、D、R)で 0.05秒〜1時間35分のレンジです。ドローンの使用も可能です。
PPG Waveterm Transitions 機能の実装
そして最後にささやかなお知らせです。これは、M の初期の段階と最初のバッチで私をサポートしてくれたすべての人に感謝する機能です。私はいつも PPG Waveterm Transitions リプレイ機能の再現を夢見ていました。そしてそれが M で実現しました!これでクラシックモードで、2番目のオシレーターを PCM オシレーターとして使用し、内部フラッシュに保存された64のトランジションの1つを再生できるようになりました。SD カードから M にロードして、パッチに使用できます。したがって、各チャンネルに「アナログとデジタルの VCF を備えた4チャンネルのドラムマシン」を作成できます。またはマルチサンプル・レイヤーのパッチとしても使用できます。また、OSC1 は独自のウェーブテーブルを自由にプレイできます。私はこの新機能であなたが何をするのか、非常に興味があります。
次のサウンドパラメータが追加されました。(OSCセクションの2つの新しいページにあります。)OSC2 > Transition ページに次の3つのパラメータがあります。
- Transition Enable — (TR.ENA) : OSC2でトランジションの再生を有効にします。OSC2 は Octave、Semitones、 Detune をコントロールし、ミキサーの Osc2 は有効で、通常のオシレーター2と同じ機能を果たします。ウェーブテーブル。スキャンが発生しないため、エンベロープ・アマウントは無効です。
- Transition Number (TR.NUM) : トランジション・サンプルがロードされて DSP に転送されるスロットの番号を設定します。(00〜63)
- Transition Base (TR.BASE) : トランジションのベースピッチ(変換された PPG Waveterm B ライブラリの場合は通常 D#1)レンジは C-2(MIDI ノート#36)からC3(MIDIノート#96)のレンジ内です。マスターチューニングを変更すると、MIDI ノートによる Hz の正確なピッチも変更されるので、この点に注意してください。つまり、マスターチューニングとして 442 Hz を選択すると、この場合、A2 のベースピッチも 442Hz にシフトします。サンプルがベースピッチとして 440Hz で録音されている場合、不適切なサンプル・チューニングにつながる可能性があります。
次の3つのパラメーターは、サンプルの再生ループに関連し、次のページ(OSC2> TransitionLoop)にあります。
- Transition Start — (TR.START) : トランジション・ループを開始するサンプル番号を設定します。(ある場合)
- Transition End — (TR.END) : トランジション・ループを終了するサンプル番号を設定します。(ある場合)
- Transition Loop — (TR.LOOP) : ループのタイプを選択します。設定できる値は次の通りです。
- OFF : ループはオフで、トランジションはサンプル0からサンプル32767まで1度再生されます。ドラムや SFX としてのワンショットに適しています
- FWD (Forward Loop) : トランジションのリプレイはサンプル TR.START から開始され、ノートが有効な間、 TR.START と TR.END の間をループします。
- BWD(Backward Loop): トランジションのリプレイはサンプル TR.END から開始され、TR.START とは逆方向にリプレイされてループします。
- ST + FWD(Start + Forward Loop) : トランジションリプレイはサンプル0から始まり、TR.STARTまで再生され、その後 TR.START と TR.END の間をループします。
- ST + BWD(Start + Backward Loop) : トランジションリプレイはサンプル0から始まり、TR.END まで再生され、その後 TR.START とは逆方向でループします。
トランジション・ファイルの形式は、通常の.WAVファイル、16ビットモノラル、サンプルレート 22050Hz です。
ネイティブの Waveterm のサンプリング周波数である 20,95kHz に近いですが、22 kHzのベースピッチは E1 ではな くD#1 になります。このトランジションの世界を体験する最も簡単な方法は、http://www.ppg.synth.net/waveterm/wt_lib.shtml からライブラリをダウンロードすることです。
System 設定の4ページ目 UserWT/TR には、2つの新しいシステム・オプション・パラメータがあります。これらは、ユーザーのウェーブテーブルをロードするパラメーターによる意味と同じであり、Source (SD カードの Wave ファイル)と Destination(M のフラッシュ・メモリのトランジション・スロット)を選択できます。
- Trans. file number(ソース) : 000〜999の範囲で、Txxx.wavという名前のファイルに対応します。xxx はレンジの番号名です。ファイルは SD カードの TRANSITIONS フォルダに用意します。
- Trans. load slot(デスティネーション) : 00〜63の範囲内にあり、M のフラッシュストレージの内部スロットに対応します。
System Operations メニューの「Import Transition (from SD)」という名前の新しいアクションは、Destination パラメーターに従って、サンプルを Wave ファイルから M の内部スロットに転送するために使用します。
選択したファイルが 65K バイト(32767サンプル)よりも大きい場合 - 最初の 32767 サンプルのみが転送されます。ファイルが小さい場合 - ファイルに含まれていないすべてのサンプルは0で埋められます。
したがって、実際には FW1.07 の主要な変更があります。内部で行われた多くのパフォーマンス調整があり、現在、クラシックモードの DSP パフォーマンスは限界にあります。これで、将来のサウンド・パラメータの追加/変更を完了します。新しいリリースでは、グローバル LFO のパラメーターの変更/追加のみです。したがって、Waldorf M のすべての 1.xxx ファームウェア・バージョンのクラシックモードの新しいサウンド・パラメータはありません。
あなたが新しい可能性を気に入ってくれることを願っています。
次の 1.08 ファームウェアは、システム・ファームウェアを最適化するために UI/UX 指向になります。そこで私はすべての要求をカバーし、機械と人間の間の相互作用に関連するすべてのバグを修正しようとします。
貴重なご協力とご支援をありがとうございました!
RemagenVladimir からのご挨拶
ファームウェア・アップデートにより追加された新機能
Waldorf M ユーザーズ・マニュアル Ver1.0に掲載されていない、ファームウェア・アップデートにより追加された主な機能の解説です。日本国内の正規輸入品であれば2022年2月現在で最新バージョンである「Host 1.06 RC, DSP 1.05 RC」があらかじめインストールされているので、これらの機能を使用することができます。
デジタル・フィルター
クラシックモードとモダンモードの両方で使用することができ、M の音作りの可能性を広げるデジタル・フィルターが追加されました。これはアナログ・フィルターとは別に実装された実験的な機能で、オリジナル Microwave II のデジタル・フィルターの直接的なクローンではありません。LP/BP/HP から選択できる SVF で、12dB/oct スロープ固定、レゾナンス・コントロールが用意されていますが自己発振はしません。
デジタル・フィルターは M のデジタル・パスの最終段である MIX セクションに追加されています。MIX セクションのページ4とページ5で関連するパラメーターを設定できます。
DigiVCF ページ
デジタル・フィルターに関するすべてのパラメーターが表示されます。
ENABLE
デジタル・フィルターを有効にするか無効にするかを設定します。
TYPE
デジタル・フィルターのフィルター・タイプを選択します。LP12, BP12, HP12から選択できます。
CUTOFF
デジタル・フィルターのカットオフ周波数を設定します。
RESO
カットオフ・ポイント周辺の周波数の増幅度を設定します
DigiVCFMod ページ
デジタル・フィルターのモジュレーションに関するすべてのパラメーターが表示されます。任意のモジュレーション・ソースでデジタル・フィルターの CUTOFF をモジュレーションすることができます。
MODSRC
デジタル・オシレーターをモジュレーションするモジュレーション・ソースを選択します。
MODAMT
適用するモジュレーションの量を設定します。このパラメーターはプラスとマイナスのどちらにも設定できます。
サウンド・プログラムを素早くロードする「Instant Patch Load」機能
デフォルトでは Single/Multi エンコーダーを回し”Recall ボタンを押す”ことでサウンド・プログラムをロードします。
この操作を”Single/Multi エンコーダーを回す”だけでサウンド・プログラムを次々にロードするように変更することができます。
設定方法
Sound/System エンコーダーを押して SYSTEM メニュー・モードに入ります。「Settings 1(SYSTEM)」ページの一番下に追加された「Instant Patch Load」を「yes」に設定します。従来通りの Recall ボタンを押してサウンド・プログラムをロードする場合は「no」に設定します。
3種類のモジュレーション・ソース「Inverse」「CoinFlip」「Random」を追加
追加されたモジュレーション・ソースはリストの最後に追加されています。
- 1. Inverse : ノートをトリガーするたびに -1.0 と + 1.0 を交互に出力します。次にノートをトリガーするまで値が保持されます。
- 2. CoinFlip : ノートをトリガーするたびに -1.0 または + 1.0 をそれぞれ50%の確率で出力します。次にノートをトリガーするまで値が保持されます。
- 3. Random : ノートをトリガーするたびに -1.0 から + 1.0 までの間のランダムな値を出力します。次にノートをトリガーするまで値が保持されます。
サウンド・プログラムをランダマイズする「ランダム・イニシャライズ機能」を追加
M のサウンド・パラメーターをランダマイズする機能です。この機能を使用することで、偶発的に新たなサウンドを次々と生み出すことができます。自身のサウンド・プログラム手順がマンネリ化してきた際などに使用すると、M の新たな一面を発見することができるでしょう。
ランダマイズされるパラメーターの値の範囲は、各セクションごとにユーザーが自由に設定することができます。
ランダム・イニシャライズ機能 に関する設定は、Sound/System エンコーダーを押して SYSTEM メニュー・モードに入り、Sound/System エンコーダーを回して「Settings 5 RND Init」ページで行います。
Settings 5 RND Init ページ
このページでランダム・イニシャライズ機能についてのパラメーターを設定します。この設定を行なっていないと下記のランダム・イニシャライズ・コマンドを実行しても効果がありません。
Enable MOD Rnd Init
すべてのモジュレーション・ソースの量とコントロールをランダマイズするか、デフォルトのままにするかを設定します。すべてのモジュレーションをランダマイズさせたくない場合に便利です。
RNDInit spread
LFO、ENV、OSC、WAV、MIX、VCF、VCA 各セクションごとにランダマイズする量を設定します。
下記は Waldorf M のエンジニアである Vladimir Salnikov 氏のお気に入りの設定です。まずはこの設定から機能を試してみてみると良いでしょう。
- Enable Mod RndInit - yes
- LFO RndInit Spread - 47
- ENV RndInit Spread - 12
- OSC RndInit Spread - 82
- WAV RndInit Spread - 24
- MIX RndInit Spread - 67
- VCF RndInit Spread - 26
- VCA RndInit Spread - 21
ランダム・イニシャライズを実行する
ランダム・イニシャライズを実行するには、Shift ボタン + Cancel ボタンを押しながら Initボタン(Recall ボタン)を押します。あらかじめ設定されたランダマイズ量でランダマイズされた新たなサウンド・プログラムが生成されます。
このコマンドを実行してもサウンド・プログラムを保存する手順を行わない限り、サウンド・プログラムが上書きされることはありません。